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逆求人・マッチングイベントの活かし方——1対1で会える場を、成果につなげる

ルビーイン株式会社『ウェルハンティング』編集部

学生と企業の担当者が1対1でテーブルを挟み、熱心に語り合う逆求人型イベントの様子

逆求人・マッチング型のイベントは、学生一人ひとりと1対1で向き合える形式の総称です。書類や短いやり取りでは分からない人柄や志向が、その場で直接伝わってきます。ただ、参加すれば成果が出るというものではありません。誰が出るか、何を話すか、そして終わった後にどう関わるか——この三つで、得られるものは大きく変わります。本記事では、この場の価値をどう引き出すかを、施策の一類型として実務の視点で整理します。

この形式が持つ、他にない価値

逆求人・マッチング型の最大の特徴は、企業と学生が対等に、しかも短時間で深く相互理解できる点にあります。応募を待つ手法では、学生の情報は書類の範囲に限られます。企業から声をかける手法でも、返信までの距離があります。この形式では、初対面の数十分で、志向・考え方・話し方まで含めた情報が一度に得られます。知名度に頼らず自社の魅力を直接伝えられる点も、規模の大きくない企業にとっては大きな意味を持ちます。学生の側も、条件で比較するのではなく人を見て判断したいと考えて参加していることが多く、その姿勢の重なりがこの場を成立させています。

参加を判断する前に、確かめたいこと

まず確かめたいのは、集まる学生の層と自社の求める像が重なっているかどうかです。学年・志向・エリアなど、場によって集まる層は変わります。次に、当日の運営形式です。一人あたりどれくらい話せるのか、何人と会えるのか、その場で次の接点をつくれるのか。同じ「イベント」という言葉でも、内容は大きく異なります。そして三つ目が、当日以降に動ける体制があるかどうかです。良い出会いがあっても、翌週に誰も連絡できないなら、その場の熱は冷めてしまいます。事前に確認するほど、当日の期待値は正確になります。加えて、一度の参加で結論を出そうとしないことも大切です。初回は自社の伝え方も、学生への向き合い方も、手探りになります。何が響いて何が響かなかったかを記録しておけば、次回以降の精度は上がっていきます。一度きりの結果で向き不向きを判断すると、本来相性の良い施策を手放してしまうことがあります。

誰が出るかで、伝わるものが変わる

この場では、話す内容以上に「誰が話すか」が効きます。学生は目の前の人を通して会社を見ているからです。人事担当者だけでなく、実際に近い職種で働く若手社員が同席すると、働く姿の解像度が一気に上がります。年次の近い社員は、学生にとって数年後の自分を重ねやすい存在です。ただし、誰でもよいわけではありません。自社の仕事を自分の言葉で語れること、学生の話を遮らず聞けること。この二つは、役職や経験年数よりも大切です。人選を採用チームだけで抱え込まず、現場社員を採用に巻き込む働きかけを早めに始めておくと、当日の登壇者に余裕が生まれます。

何を話すか——説明の場にしない

限られた時間を会社説明で埋めてしまうのは、最ももったいない使い方です。事業内容や制度は資料でも伝わりますが、その学生が何を考えているかは、その場でしか聞けません。時間配分としては、聞く時間を厚めに取るのが基本です。そのうえで、聞いた内容に接続する形で自社の話をすると、同じ説明でも受け取られ方が変わります。「あなたのこういう志向なら、うちのこの仕事が合いそうだ」と返せることが、この形式の醍醐味です。事前に学生の情報が共有される場合は、目を通しておきたいところです。読んだ形跡があるかどうかは、学生にはっきり伝わります。

その場で「次」を決めておく

当日の終わり方も、成果を左右します。「また連絡します」で別れると、その後の接点は担当者の記憶と手空き時間に委ねられてしまいます。可能であれば、その場で次に会う機会の話まで進めておくのが理想です。次が難しくても、いつ頃どんな形で連絡するかを伝えるだけで、学生の側の心構えが変わります。良い時間を過ごしたと感じたときほど、次が見えないことへの落胆は大きくなります。ここで気をつけたいのが、押し方の加減です。その場で選考への参加を強く迫ると、じっくり考えたい学生ほど身構えてしまいます。有効なのは、次の一歩を軽くしておくことです。あらためて話す時間を持ちませんか、職場を見に来ませんか——選考ではない接点を挟めると、迷っている学生も動きやすくなります。判断を急がせず、判断材料を増やす方向に誘うほうが、この形式には合っています。

当日以降のフォローが、成否を分ける

この形式で生まれた出会いは、一斉応募より個別性が高いぶん、放置されたときの落差も大きくなります。当日の対話で伝えた姿勢を、その後の連絡でも崩さないことが肝心です。全員に同じ定型文を送れば、せっかくの1対1が台無しになります。話した内容に一行触れるだけで十分です。時間が経つほど記憶は薄れるので、印象が鮮明なうちに動くこと。接触後のフォローを設計しておくと、担当者の記憶頼みにならず、出会いを次につなげやすくなります。

よくある質問

Q1. 参加してみたものの、手応えが薄いときは何を見直すべきですか?
A. まず、当日の時間配分を振り返ってみてください。説明が長く、聞く時間が短くなっていないでしょうか。次に、集まる層と自社の求める像が重なっていたかどうか。この二つで、たいていの原因は見えてきます。

Q2. 出られる社員が限られています。人事だけでも大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。ただし、現場の具体的な話をどこまで語れるかが鍵になります。同席が難しい場合は、事前に若手社員から仕事の具体を聞き取っておき、自分の言葉で話せるように準備しておくと補えます。

Q3. その場で志望度が高くない学生には、どう関わればよいですか?
A. その場で決めてもらう必要はありません。志望度は後から育つものです。無理に押さず、判断材料になる情報を丁寧に渡すほうが、結果的に印象は残ります。今すぐでなくても、縁は続きます。

まとめ

  • 1対1で会える場の価値は、短時間で深く相互理解できること
  • 参加前に、集まる層・運営形式・当日以降に動ける体制を確かめる
  • 誰が出るかで伝わるものが変わる。自分の言葉で語れて、聞ける人を選ぶ
  • 説明で埋めず、聞く時間を厚く取る
  • その場で次を決め、印象が鮮明なうちにフォローする

逆求人・マッチング型のイベントは、準備とフォロー次第で価値が大きく変わる施策です。当日の数十分だけを切り取って考えず、その前後を含めて設計してみてください。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』を通じて、企業と学生が1対1でじっくり向き合う出会いに伴走しています。次に参加する機会があれば、まずは「聞く時間を半分以上にする」と決めて臨んでみてください。