BLOG ブログ
逆求人イベントのメリット・デメリット——企業側が出展前に見ておきたい論点
逆求人イベントを検討するとき、企業側が知りたいのは「結局、自社にとって得なのか、手間ばかりかかるのか」ではないでしょうか。結論から言うと、メリットは「事前に準備してきた学生と、1対1で時間をかけて話せること」、デメリットは「準備・当日・フォローの工数が重く、成果が読みにくいこと」です。そして、結果を分けているのは、イベントそのものよりも、当日の面談をどう設計し、その場で何をしたかでした。私たちルビーインが企業との打ち合わせで把握してきた、実際の施策と結果を交えて整理します。
逆求人イベントとは——「サイト型」との違い
逆求人は、企業が学生を探して声をかける形の採用活動の総称です。大きく分けると、登録された学生のプロフィールを見てメッセージを送る「サイト型」と、当日に会って話す「イベント型」があります。仕組みの全体像は逆求人とは——企業側から見た仕組み・メリットと、自社に合うかの判断軸で整理していますが、サイト型は「送る」工数が、イベント型は「会う」工数が中心になる、という点がまず違います。この記事では、後者のイベント型を前提にします。
メリット:1対1で、準備をしてきた学生と会える
一番多く聞くのが、説明会のように一方的に話すのではなく、学生と向き合って話せるという声です。逆求人型のイベントでは、学生が自己紹介の資料やプレゼン、質問を事前に用意して臨む形式が一般的です。そのため、参加する学生は一定の意欲を持っていることが多く、イベントを終えた企業の振り返りでも、学生の準備が丁寧で面談を進めやすかったという感想をよく聞きます。さらに、会いたい学生を自社で選べる形式であれば、ターゲットに近い学生に絞って会うこともできます。
実際に企業が行った施策と、その結果
メリットを活かせたかどうかは、面談の進め方で変わります。打ち合わせで把握した事例のうち、イベントの中や前後で行った施策と結果を整理します。
- 施策:初回面談をいきなり面接にせず、学生のPRや話したいことに向き合い、丁寧にフィードバックを返す形にした
→ 結果:その後の選考に高い志望度で臨む傾向があり、5イベントの参加で4名が承諾
- 施策:起業志向など、学生本人の目標を否定せず、応援する姿勢で面談・選考を行った
→ 結果:1イベントの参加で3名が承諾。承諾の理由として、目標を本気で応援してくれたことが挙がった
- 施策:説明会を動画に切り替え、初回の接点を1〜1.5時間の個別面談にした。学生の希望があれば、一次面接に現場のエンジニアも同席した
→ 結果:1イベントの参加で1名が内定し、承諾
- 施策:1つのグループに人事2名で入り、二人の掛け合いで社内の雰囲気が伝わる面談体制にした
→ 結果:2イベントで50名と接触して17名と面談。半数以上が第二志望群以上と回答し、1名が承諾
- 施策:面談したその場で、2回目の接点(説明会など)の予約を取る運用にした
→ 結果:面談した21名のうち86%と予約が取れ、76%と2回目の接点を持てた。2名が内定し、1名が承諾
- 施策:1対1で話した学生は、一次のグループディスカッションを免除する選考フローにした
→ 結果:6イベントで150名と接触し、60名と面談、43名が次のステップへ。20名が内定し、5名が承諾
どの施策にも共通しているのは、学生一人ひとりに向き合う時間を、設計して確保していることです。承諾の理由として、担当者が向き合ってくれたことや、目標を応援してくれたことを挙げる学生がいた、という例もありました。
なお、ここで挙げた数字は、打ち合わせで把握できた事例の範囲です。すべての参加企業の平均ではありませんし、同じ施策を取れば同じ結果になる、というものでもありません。参加した回の学生の層や、企業の状況によって、結果は大きく変わります。
デメリット1:準備・当日・フォローの工数が重い
打ち合わせで最も多く出るデメリットが、工数の話です。イベント型は、出展の準備、学生のプロフィールの確認、当日の面談、その後のフォローまで、1回あたりの手間が大きくなりやすい形式です。小規模なイベントなら続けやすい一方、規模が大きいほど準備の負担が増え、見合う成果が得られない可能性もある、と話す企業もありました。上の施策も、いずれも担当者の時間をかけたうえで成り立っています。
デメリット2:成果が読みにくく、社内で説明しづらい
もう一つよく聞くのが、結果が出なかったときの社内説明の難しさです。1回目の結果が思わしくなかった場合に、翌年以降の出展の理由を社内に示しにくくなる、という悩みも聞かれます。上の事例でも、参加したイベントの数に対する承諾の数は、企業によって大きく異なります。出展前に、何をもって成果と見るのか(承諾の数だけでなく、母集団の質や、学生の声を聞けたことなど)を社内で合意しておかないと、判断がぶれやすくなります。
デメリット3:出会える学生の層・エリアが偏る
どの学生が集まるかは、イベントごとに異なります。意欲や志向の強い学生が多い場合、自社が求める層と合うのか、意欲が高すぎて採用につながるのかを懸念する企業もあります。また、開催地によって出会える学生のエリアが限られ、狙いたい地域の学生に会いにくい点を弱みに挙げる声もあります。どの層に会いたいのかを先に決め、それに合う回を選ぶことが大切です。
デメリット4:担当者の日程を押さえる必要がある
意外と見落とされるのが、当日の担当者の日程です。複数回の出展を検討する中で、すべての回に出られる人員がいない、平日に動ける日が減るのが負担になる、といった理由で、回数を絞る企業は少なくありません。1回あたりの拘束時間が長くなりやすい点も、他のチャネルとの違いです。
向いている企業・向かない企業の判断軸
メリットとデメリットを並べたうえで、自社に向いているかを見るには、次の3つの軸が目安になります。
- 体制:準備から当日、フォローまでを担える担当者を、必要な日程で確保できるか
- 目的:何人採りたいのか、どんな学生に会いたいのかが言えるか(広く集めたいなら別のチャネルが合うこともあります)
- 成果の見方:承諾数以外に、何を成果として認めるかを社内で決められるか
他のチャネルと比べる視点は、母集団形成施策を比べる4つの軸も参考になります。合同説明会との使い分けで迷う場合は、合同企業説明会に出るかどうかの判断も参考になります。
よくある質問
Q1. 逆求人イベントは、採用単価を下げられますか?
A. 一概には言えません。ターゲットに近い学生と会えれば、効率が上がることを期待する企業もありますが、集まる学生の層や自社の準備によって結果は変わります。単価だけで判断せず、工数も含めて見たほうがよいでしょう。
Q2. 準備にどのくらい時間がかかりますか?
A. イベントの形式や回数によって差が大きく、一概に言えません。ただし、出展の準備、学生のプロフィール確認、当日の面談、その後のフォローまで、他の手法より1回あたりの手間は大きくなりやすい点は、見込んでおく必要があります。
Q3. 少人数の採用でも向いていますか?
A. 少人数の採用でも、1対1でじっくり会える形式は相性がよい場合があります。ただし、担当者が少ない場合は、出展回数を絞り、準備とフォローに時間を割ける範囲で進めるほうが現実的です。
まとめ
- 逆求人イベントのメリットは、準備をしてきた学生と、1対1で時間をかけて話せること、そして会いたい学生を選びやすいこと
- 結果を分けるのは、面談の設計と、当日その場での動き。学生に向き合う時間を、設計して確保した企業で承諾が出ている事例が複数ある
- デメリットは、工数が重いこと、成果が読みにくく社内で説明しづらいこと、出会える層やエリアが偏ること、担当者の日程を押さえる必要があること
- 向き不向きは、体制・目的・成果の見方の3つで判断できる
私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』を運営しており、累計5,000件以上の企業との打ち合わせで、こうした声と結果を見てきました。出展の進め方や費用感について詳しく知りたい方は、資料請求からご確認ください。まずは自社の体制で、どの規模の出展なら無理なく続けられるかを考えてみてください。
-
関連記事
-
内定者フォローの施策事例——実際に企業が行ったことと、その結果
内定者フォローの施策を、実際に企業が行ったことと、その結果で整理。個別コンテンツ...
-
逆求人イベントは何社に出るべき?——出展社数と頻度の考え方
逆求人イベントは何社くらい出展すればいいのか。正解の数字を探すより先に決めておき...
-
内定辞退率は高いのか低いのか——平均と比べる前に見ること
内定辞退率は、業界平均と比べるだけでは実態を見誤ることがあります。母数の小さい採...
-
逆求人イベントの費用対効果——出展前に見極める3つの視点
逆求人イベントは費用に見合う効果があるのか。何をもって「効果」とするかで答えは変...
-
逆求人イベントの出展準備——企業側が当日までに決めておく6つのこと
逆求人イベントの出展準備で、企業側が当日までに決めておきたい6つのこと。ターゲッ...
-
