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内定辞退率は高いのか低いのか——平均と比べる前に見ること
内定辞退率は、内定者数に対して辞退者が何人いたかを示す指標です。計算式は「内定辞退者数 ÷ 内定者数 × 100」とシンプルですが、この数字だけを業界平均と比べて一喜一憂すると、実態を見誤ることがあります。とくに採用人数が数名〜十数名規模の企業では、母数の小ささゆえに数字が大きく振れるからです。本記事では、内定辞退率という数字をどう読み、何を確認すればよいかを、実務の視点で整理します。
内定辞退率が「暴れる」のは、母数が小さいから
内定辞退率は、母数が小さいほど1人の動きで大きく変わります。私たちルビーインが企業の採用担当者から打ち合わせで聞く数字にも、この振れ幅がよく表れています。たとえば、ある年は内定辞退率が30%程度だった企業が、翌年には50%程度まで上がったという声もあれば、内定5名のうち1名しか承諾せず、辞退率が一気に跳ね上がったという声もあります。承諾人数が1〜2名単位で動く採用規模では、辞退率は「傾向」というより「その年の巡り合わせ」に近い動き方をします。前年より辞退率が上がったからといって、必ずしも自社の採用力が落ちたとは限りません。
同じ「辞退率30%」でも、中身はまったく違う
もう一つ見落とされやすいのが、辞退率の内訳です。ある企業では、全体の辞退率は30%弱程度でも、募集していた職種の一方は50%以上が承諾する一方、もう一方は20%程度にとどまっていたという声を聞きました。全体を平均した一つの数字だけを見ていると、この差は見えてきません。職種別・拠点別・選考ルート別に分けて見ると、辞退率の高さが特定の切り口に偏っていることが少なくありません。原因を探すときは、まず「どこで平均を取っているか」を疑ってみることが有効です。
「選考中の辞退」と「内定後の辞退」は、切り分けて見る
辞退率を語るとき、選考の過程で離脱した人と、内定を出したあとに辞退した人を、同じ「辞退」として一括りにしてしまうケースがあります。ある企業では、内定辞退率は上がったものの、「選考中の辞退はそこまで多くない」という声もありました。選考中の離脱が少なく内定後の辞退だけが増えているなら、原因は選考プロセスよりも、内定を出してから入社までのフォローや、他社との比較検討のタイミングにある可能性が高いといえます。逆に、選考の早い段階で離脱が多いなら、募集の間口や訴求内容そのものを見直す必要があります。同じ「辞退率が高い」でも、どの段階で起きているかによって、打ち手はまったく変わります。
自社の数字が「高い」と感じたら、まず確認すること
内定辞退率が高いと感じたときに最初にすべきなのは、対策を打つことより、数字の中身を分解することです。具体的には、①母数が何人だったか(1〜2名の増減で率がどれだけ動くか)、②職種・拠点・選考ルートなどの切り口ごとに差がないか、③選考中の離脱と内定後の離脱のどちらが増えているか、の3点を確認します。この分解をせずに「辞退率○%は高いから何か対策を」と動いてしまうと、実際には効いていない打ち手に労力を割くことになりがちです。
「効果があった対策」を、そのまま真似ても効きにくい理由
内定辞退率が話題になると、他社が効果を上げたという対策をそのまま取り入れたくなります。ただし、原因を分解しないまま一般的な対策を重ねても、期待した効果につながらないことがあります。内定後の個別フォローを増やす対策は、内定後の離脱が多い企業には効きますが、そもそも選考の早い段階で離脱が多い企業には的外れです。逆に、募集の間口を広げる対策は、選考中の離脱には効いても、内定後に他社と比較検討して離脱する層には響きません。打ち合わせでも、「対策はいろいろ試しているが、数字が思うように動かない」という相談を受けることがありますが、多くの場合、対策そのものより、どの段階の離脱に効かせたいのかが定まっていないことが背景にあります。
辞退が起きる段階に合わせて、企業が行ったこと(事例)
辞退の段階を切り分けたうえで、内定後や承諾までの接点に手を打った企業の事例を整理します。
- 施策:内定者に向けて、新卒社員のインタビューを一から作り、学生と向き合いながら擦り合わせて選考を進めた
→ 結果:承諾の理由として、担当者が向き合ってくれたことが挙がり、1イベントの参加で1名が承諾
- 施策:1対1で話した学生は、一次のグループディスカッションを免除する選考フローにした(内定からの承諾率が低いことが課題で、初回の接点で魅力づけができていることを前提にした変更)
→ 結果:6イベントの参加で、20名が内定し、5名が承諾
- 施策:承諾の期限を設けず、選考がオンライン中心でも、学生の地元に出向く、または来てもらうなど、対面の接点を意識的に増やした
→ 結果:承諾率は目標の5割に対して3〜4割にとどまり、承諾後の辞退も数名出た。滑り止めで受けていた学生が、他の業界へ進んだケースがあった
- 施策:1年目は現場、2年目以降はマネジメントというキャリアパスを、選考の段階から明示した
→ 結果:承諾の理由に、福利厚生、勤務地、仕事内容、雰囲気が挙がった
共通しているのは、辞退が起きやすい段階に合わせて、学生との接点を設計していることです。一方で、手を打ってもすぐに数字が動くとは限らない例もあります。ここで挙げたのは把握できた事例の範囲で、同じ施策で同じ結果になることを示すものではありません。
業界平均との比較は、参考程度にとどめる
求人媒体各社の調査でも、内定辞退率は年によって、また企業規模によって大きく変動することが報告されています。全体の相場感を把握しておくこと自体は無駄ではありませんが、平均値はあくまで多数の企業を均した数字です。自社が平均より高いか低いかよりも、自社の数字が前述の3つの切り口でどう分解されるかのほうが、次の一手を考えるうえでは実践的な材料になります。原因の切り分けができたら、辞退につながりやすい理由の全体像は内定辞退の本当の理由を知り、防止に活かすで、承諾率そのものを底上げする具体策は内定承諾率を上げる打ち手で扱っています。
よくある質問
Q1. 内定辞退率は何%なら普通ですか?
A. 一概にはいえません。採用人数が少ないほど1人の動きで数字が大きく振れるため、他社の平均値と単純比較するより、自社の数字を職種や選考ルートで分解して見るほうが実態をつかみやすくなります。
Q2. 前年より辞退率が上がりました。何から確認すべきですか?
A. まず母数の変化を確認してください。内定者数自体が少なければ、1〜2名の増減だけで率は大きく動きます。そのうえで、選考中の離脱か内定後の離脱かを分け、どの段階で辞退が増えているかを見ます。
Q3. 辞退率を下げる打ち手は、どこから手をつければよいですか?
A. 原因の段階(選考中か、内定後か)を切り分けたあとに考えるのが順番です。切り分けをせずに一般的な対策を試すと、実際には効いていない部分に労力を割くことになりがちです。
まとめ
- 内定辞退率は母数が小さいほど振れやすく、前年比較や業界平均との比較だけでは実態を見誤る
- 職種・拠点・選考ルートで分解すると、平均値では見えない偏りが見つかることがある
- 選考中の辞退と内定後の辞退を切り分けることで、打つべき対策の方向性が変わる
内定辞退率という一つの数字は、対策の入口ではなく、分解して初めて意味を持つ指標です。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』を通じて企業の採用担当者から数字の背景にある事情を数多く聞いてきました。自社の辞退率に違和感を覚えたときは、まず母数と内訳を分解することから始めてみてください。イベントの進め方や費用感は、資料請求からご確認いただけます。
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