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会社説明会の内容——事業説明に偏らせない中身の組み立て方

ルビーイン株式会社『ウェルハンティング』編集部

会社説明会で現場の若手社員が自分の仕事を語り、学生たちが前のめりで聞いている様子

会社説明会の内容を見直そうとすると、多くの場合「スライドを作り直す」ところから入ります。けれど学生の反応が変わらないとしたら、直すべきは見た目ではなく、話す中身の構成です。私たちルビーインは年間を通じて学生と1対1で話していますが、説明会について語られる感想には、はっきりした偏りがあります。本記事では、会社説明会の内容をどう組み立てるか——何を話し、何を削り、誰が話すか——を実務目線で整理します。

事業説明に偏った説明会で、何が起きているか

会社説明会の内容としてまず用意されるのは、会社概要と事業説明です。ここが手厚くなるのは自然なことですが、そこで時間の大半を使ってしまうと、学生の側に残るものが少なくなります。

面談で学生の話を聞いていると、「事業内容の説明は聞いたけれど、入社後に自分が具体的に何をするのかが十分に伝わらなかった」という感想が出てきます。会社の説明としては成立していても、学生が知りたい「自分の話」になっていないわけです。

もう一つよく聞くのが、「説明会に行ってみたけれど、同じ業界の会社と内容がだいたい同じだった」という声です。事業説明は、業界が同じなら似通います。似たスライドが並べば、学生の記憶には残りません。差がつくのはその先です。

説明会は情報提供の場であると同時に、学生が「ここで働く自分」を想像する場です。事業の説明はその材料のひとつにすぎない、という前提に立つと、構成の優先順位が変わります。

学生が本当に知りたいのは「働いている自分の姿」

では、学生は何を知りたいのか。面談で語られる関心は、おおむね次のあたりに集まります。

  • 1日の流れ、担当する業務の具体
  • 入社してから、どのタイミングで何を任されるのか
  • 研修の中身と、そのあとの配属の決まり方
  • 評価の基準と、成長を測る物差し
  • 一緒に働く人たちの雰囲気、相談できる相手がいるか
  • 休みの取りやすさ、働く時間の実態

ある学生は、志望度を測る材料として「研修の中身と人員配置を説明会で質問する」と話していました。別の学生は、社風を見極めるために「制度の有無を具体的に確認する」と決めていました。抽象的な言葉ではなく、確かめられる形の情報を求めているということです。

同時に、学生は説明会を割り引いて聞いています。「説明会では良いことが語られやすい」という前提を持っており、だからこそインターンや社員との接点で実態を確かめようとします。良い面だけを並べた内容は、逆に警戒される可能性がある、と考えておくのが安全です。

会社説明会の内容を四つのブロックに分け、比重を決める

会社説明会の内容は、次の四つのブロックに分けると設計しやすくなります。

① なぜこの会社があるのか(創業の背景、社会での役割、これから向かう方向)
② どんな仕事をするのか(職種ごとの業務、1日の流れ、任される時期、評価のされ方)
③ どんな人と働くのか(社員の人物像、チームの様子、育成と相談の体制)
④ どう進むのか(選考の流れ、募集条件、質疑応答)

比重の目安として、②と③に最も長い時間を割く設計をおすすめします。①は導入として簡潔にまとめ、④は事務的に片づける。会社概要と沿革の説明が全体の前半を占めているようなら、そこは削れる可能性が高い部分です。

時間そのものについては、対面で1時間前後、オンラインではもう少し短めに設計する会社が多いようです。集中が続く長さには限りがありますから、長くするなら休憩や参加型の要素を挟む前提で考えてください。実際、打ち合わせでも「1時間の説明会を30分に短縮して様子を見ている」「情報量を絞る必要がある」といった見直しの話が出てきます。削ることも設計の一部です。

質疑応答は、余った時間ではなく最初から確保しておく枠として扱ってください。学生の関心が実際にどこにあるかは、質問に表れます。

誰が話すかで、内容は変わる

同じ項目を扱っても、話し手が変わると伝わり方が変わります。ここは内容設計の一部として考えるべき部分です。

打ち合わせでは、「リアルを伝えるために、説明会の中に現場社員に入ってもらっている」という会社の話を聞きます。学生側からも、若手社員の座談会形式だった説明会の印象が語られたり、社員と学生が一緒に説明する形が「話しやすくて好印象だった」と評価されたりします。

面白いのは、学生が話す内容だけでなく、話し手同士の様子まで見ていることです。「社員同士の会話が笑顔だった」「仲の良さが伝わってきた」という理由で志望度が上がった、という声は繰り返し聞きます。「質問しやすい雰囲気だったかどうか」も判断材料になっています。

裁量の大きさのように言葉だけでは伝わりにくいことも、話し手を変えると伝わります。ある学生は、「若手の人が実際に活躍していて、意見が言いやすいと話していたから」裁量があると判断したと語っていました。人事が「裁量があります」と言うより、若手本人が具体例を語るほうが届きます。

「合わない人」にも、はっきり伝える

説明会の内容を良い面だけで固めると、集める人数は増えても、後の工程で辞退が増えます。ここは短期の数字と中長期の成果が食い違いやすいポイントです。

印象的だったのは、ある学生が「説明会で『本気で働ける人しかうちにはいらない』と言い切っているのを見て、採用にも学生にも会社にも真剣に向き合っているのだと感じた」と話していたことです。線を引く言葉は、必ずしも学生を遠ざけません。むしろ誠実さとして受け取られることがあります。

企業側でも、「入社後のギャップを減らすために説明会の内容を変えた」という会社があります。厳しい面や、向き不向きが出やすい部分をあらかじめ伝えておけば、その内容を受け止めたうえで進んでくれる学生が残ります。

逆に危ういのは、説明会と選考で話が食い違うことです。「説明会では国内配属と聞いていたのに、面接では海外配属の可能性を前提に質問された」と戸惑った学生の話を聞いたことがあります。説明会で話した内容は、その後の全工程で一貫している必要があります。内容を設計するときは、面接官が同じことを言えるかまで確認してください。

内容を変えたら、どこを見て判断するか

内容を変えた効果は、当日のアンケートだけでは測りきれません。見るべきは、説明会のあとに学生がどう動いたかです。選考に進んだ割合が変わったか、進んだ学生の志望度が変わったか。この観点は説明会から選考へ——「歩留まり」を上げる設計で詳しく整理しています。

なお、同じ内容でも対面とオンラインでは伝わり方が変わります。オンラインでは相手の反応が見えにくく、一方通行になりやすいため、内容そのものより先に参加のしかたを設計する必要があります。こちらはオンライン説明会のエンゲージメント設計——一方通行にしない工夫を参考にしてください。

私たちルビーインが運営する逆求人型イベント『ウェルハンティング』でも、企業の担当者が短い時間で自社を語る場面があります。時間が限られるほど、何を話さないかを決めることが効いてきます。

よくある質問

Q1. 会社説明会の時間は、どのくらいが適切ですか?
A. 対面なら1時間前後、オンラインではそれより短めを目安に考える会社が多いようです。長くする場合は、休憩や参加型の要素を挟む前提で組み立ててください。時間の長さより、会社概要にどれだけ割いているかを見直すほうが効果が出やすい部分です。

Q2. 質疑応答で質問が出ないときは、どうすればいいですか?
A. 全体に向けて「何か質問は」と投げると出にくいものです。「よく聞かれる質問」をこちらから三つほど挙げて答えてしまう、少人数のグループに分けて社員が入る、事前に質問を集めておく、といった方法があります。質問が出ないのは関心がないからとは限らず、場の作り方の問題であることも多いです。

Q3. 説明会の内容は、業界や職種ごとに変えるべきですか?
A. 会社の話は共通で構いませんが、仕事の話は職種ごとに分けたほうが伝わります。複数職種を一度に説明すると、どの学生にとっても「自分の話」になりにくくなるためです。合同で行う場合も、職種別の時間を後半に設ける形が現実的です。

まとめ

  • 事業説明に時間を使いすぎると、同業と似た内容になり、学生の記憶に残りにくい
  • 学生が知りたいのは「働いている自分の姿」——業務の具体、任される時期、評価、一緒に働く人
  • 「なぜこの会社か」「どんな仕事か」「どんな人と働くか」「どう進むか」に分け、仕事と人に長く時間を割く
  • 話し手を現場社員に変えるだけで伝わる情報が増える。合わない人への線引きも、正直に伝える

会社説明会の内容は、情報を増やすほど良くなるものではありません。削って、具体にして、誰が語るかを決める。この三つで、同じ時間でも学生に残るものが変わります。次の説明会に向けて、まずは会社概要のスライドを何枚減らせるかを考えてみてください。そこで空いた時間が、いちばん効く時間になります。