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「やりたいことが決まらない」時代のキャリア観——計画された偶発性という視点
「やりたいことが、まだ決まっていなくて」——面談でそう漏らす学生は少なくありません。将来を明確に描けないことに、焦りや不安を抱く学生も多いものです。ですが、キャリアは本当に、あらかじめ決めきれるものなのでしょうか。本記事では、不確実な時代の学生に寄り添う視点を、「計画された偶発性理論」を補助線に整理します。
「やりたいことがない」は、本当に問題なのか?
現場では、「やりたいことが明確な学生ほど良い」と考えられがちです。しかし面談を重ねると、早くから一つに絞った学生が入社後に迷う一方で、決めきれずにいた学生が思わぬ場所で力を発揮する例も見えてきます。やりたいことが定まっていないことは、必ずしも準備不足を意味しません。むしろ、これから出会う機会に対して開かれている状態とも言えます。
計画された偶発性理論とは、何を言っているのか?
計画された偶発性理論(キャリア研究者のジョン・クランボルツが提唱)は、キャリアの多くが計画通りではなく、予期しない偶然の出来事によって形づくられる、という考え方です。大切なのは偶然をただ待つことではなく、起きた偶然を自分のキャリアに活かす姿勢を持つこと。「やりたいことを決めてから動く」だけがキャリアの築き方ではない、という視点を与えてくれます。
偶然を活かす学生は、どんな姿勢を持つか?
この理論では、偶然を活かす鍵として五つの姿勢が挙げられます。新しいことへの「好奇心」、うまくいかなくても続ける「持続性」、状況に応じて変える「柔軟性」、前向きに捉える「楽観性」、そして一歩踏み出す「冒険心」です。やりたいことが決まっていなくても、こうした姿勢を持つ学生は、これから訪れる機会を自分の糧にしていける可能性があります。
「決まっていない学生」を、どう見ればよいか?
だからこそ、「やりたいことは?」の答えだけで学生を測るのは早計です。むしろ、新しい経験にどう向き合ってきたか、想定外の状況をどう乗り越えたかを聞くほうが、その人の姿勢は見えてきます。自己分析を支援する関わりも、正解を出させるためではなく、これまでの偶然をどう活かしてきたかを一緒に振り返る場として役立ちます。
採用の場で、企業は何を伝えられるか?
学生の不安に寄り添うなら、「入社後に何が起こるか、すべては決まっていない」と正直に伝えることも一つです。そのうえで、変化のなかでどんな機会に出会えるかを具体的に示す。決めきれない学生を急かすのではなく、これから育つ余地を一緒に描くことが、学生のキャリア自律を尊重した向き合い方につながります。
よくある質問
Q1. やりたいことが決まっている学生のほうが、やはり有利ではないですか?
A. 明確さは強みですが、それが唯一の物差しではありません。決めきれない学生も、変化に向き合う姿勢を持てば、入社後に伸びていく余地があります。
Q2. 学生の「決められない不安」には、どう応じればよいですか?
A. 無理に決めさせるより、「今決めきれなくてもいい」と伝え、これまで偶然をどう活かしてきたかを一緒に振り返るのが有効です。安心が、次の一歩を後押しします。
まとめ
- 「やりたいことがない」ことは、必ずしも準備不足ではない
- 計画された偶発性理論は、偶然を活かす姿勢がキャリアを形づくると説く
- 好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心という姿勢を、学生のなかに見ていく
キャリアは、決めた通りに進むとは限りません。だからこそ、決めきれない学生に寄り添う視点が要ります。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』で、学生一人ひとりがこれからどんな機会に出会いたいのかを1対1でじっくり聞き、企業との相性を見極める場づくりに伴走しています。まずは次の面談で、「予想外の経験から何を得たか」を聞いてみてください。決めきれなさの奥に、その学生の姿勢が見えてきます。
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