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「自分はできる」を育てる——小さな成功体験で若手の自己効力感を高める

同じくらいの力を持つ若手でも、伸びる人とそうでない人がいます。その分かれ目は、能力の差というより「自分はできる」という感覚の有無にあることが少なくありません。この感覚が薄いと、挑戦する前から諦めてしまい、力を発揮しきれません。逆に、小さな成功を重ねてこの感覚を育てた若手は、難しい仕事にも臆せず向き合います。本記事では、若手の自己効力感を、任せ方・承認・段階設計を通じてどう育てるかを整理します。

自己効力感とは、「自分ならやれる」という手応え

心理学者のアルバート・バンデューラ(Albert Bandura)が提唱した自己効力感は、ある行動をやり遂げられるという、自分自身への期待や手応えを指します。大切なのは、これが生まれつきの性格ではなく、経験を通じて育てられる点です。とりわけ効くのが、実際に自分でやり遂げた成功体験です。他人の励ましも助けにはなりますが、「自分でできた」という実感にはかないません。若手を育てるとは、この実感を積める場を用意することでもあります。

大きな成果より、小さな「できた」を積む

自己効力感は、いきなり大きな成果で育つとは限りません。むしろ、手の届く小さな「できた」の積み重ねが土台になります。打ち合わせで若手育成の話を聞くと、「最初から大きな仕事を任せて、潰れてしまった」という声も目立ちます。背伸びしすぎる目標は、失敗の記憶ばかりを残しがちです。まずは確実にやり遂げられる範囲から始め、成功の実感を一つずつ積ませる。その積み重ねが、やがて大きな挑戦を支える自信になります。

任せ方:少しだけ背伸びする範囲で渡す

任せ方には、さじ加減があります。簡単すぎれば手応えが残らず、難しすぎれば失敗の記憶になります。ちょうどよいのは、本人が少しだけ背伸びすれば届く範囲です。この「少しの背伸び」を積み重ねると、達成の実感とともに、扱える仕事の幅も自然と広がります。仕事に没頭し、力が伸びていく感覚は、フロー体験が成長実感につながるという視点とも重なります。任せる側は、その一歩の幅を見極める役割を担います。

承認:結果だけでなく、過程と工夫を見る

成功体験を自己効力感に変えるには、周囲の承認が後押しになります。ただし、結果だけを褒めると、失敗を恐れて挑戦を避けるようになりかねません。有効なのは、過程や工夫に目を向けることです。どこを考え、どう取り組んだのか。その努力を具体的に認められると、若手は「自分のやり方は間違っていない」と手応えを持てます。結果が振るわなかったときでも、過程の良さを拾える上司の目が、次の挑戦を支えます。

段階設計:仕事を分けて、成功の階段をつくる

一つの大きな仕事も、分ければ複数の小さな達成に変えられます。全体をいくつかの段階に区切り、それぞれに「ここまでできた」という区切りを設ける。この階段づくりが、途中で折れない支えになります。自分の裁量で仕事を工夫し、意味を見出していく過程は、仕事を自分の手で作り変える工夫とも通じます。大きな山も、登れる段差に分ければ、若手は一歩ずつ確かに進めます。

よくある質問

Q1. 自己効力感は、性格で決まってしまうものですか?
A. いいえ、経験を通じて育てられます。とりわけ「自分でやり遂げた」という成功体験が効きます。任せ方や承認の工夫で、後からでも高めていけます。

Q2. 失敗させると、自己効力感は下がりませんか?
A. 失敗そのものより、その後の関わり方が影響します。過程や工夫を認め、次に活かせる形で振り返れば、失敗も学びに変わります。過度に守りすぎないことも大切です。

Q3. 褒めれば自己効力感は育ちますか?
A. 励ましは助けになりますが、それだけでは限界があります。実際に自分でやり遂げた実感にはかないません。褒めるなら、結果より過程や工夫を具体的に認めるのが有効です。

まとめ

  • 自己効力感は「自分はできる」という手応えで、経験を通じて育てられる
  • 大きな成果より、手の届く小さな「できた」の積み重ねが土台になる
  • 少しの背伸びで任せ、過程と工夫を承認し、仕事を段階に分けて成功の階段をつくる

若手が力を発揮できるかどうかは、能力そのものより「自分はできる」という感覚に支えられています。その感覚を、小さな成功の積み重ねで丁寧に育てることが、育成の土台になります。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』で、学生一人ひとりの成功体験や挑戦の姿勢を1対1で丁寧に掘り下げ、企業との相性を見極める場づくりに伴走しています。まずは次の育成で、少しだけ背伸びする仕事を一つ、任せてみてください。