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弱みを直すより、強みを伸ばす——若手が伸びる育成の視点
若手の育成というと、苦手をなくすことに目が向きがちです。けれど、弱みを平均点まで引き上げる関わりより、もともとの強みを見つけて伸ばす関わりのほうが、若手は生き生きと力を発揮します。強みを軸にすると、本人の自信が育ち、仕事への前向きさも続きます。本記事では、ポジティブ心理学の強みベースの考え方を手がかりに、若手の強みを見つけて活かす関わり方を、実務の視点で整理します。
「弱み克服」中心の育成が見落とすもの
苦手を直すことは大切ですが、そこにばかり力を注ぐと、若手は自分の足りない部分ばかりを意識するようになります。指摘され続ければ自信は縮み、挑戦する気持ちも細ります。打ち合わせで若手の様子を聞くと、「できないことを直すより、得意なことを任されたときのほうが伸びた」という傾向は目立ちます。弱み克服は必要な場面もありますが、それだけを軸にすると、本人の持ち味まで埋もれてしまいます。
ポジティブ心理学が示す、強みベースの発想
人の良い面や強みに光を当てて成長を支える考え方は、マーティン・セリグマンが提唱したポジティブ心理学の流れの中で広がってきました。欠点を補うより、もともと持っている強みを活かすほうが、人は前向きに力を発揮しやすいという発想です。これは効果を保証するものではありませんが、現場の実感ともよく重なります。得意なことに取り組んでいるとき、若手は自然と集中し、成長も早まる傾向があります。理論と現場の声は、ここで補い合います。
強みの見つけ方1:夢中になっている瞬間を観察する
強みは、本人も自覚していないことが多いものです。見つける手がかりは、若手が時間を忘れて取り組んでいる瞬間にあります。苦もなくこなしている作業、人から頼られている場面、話すと表情が明るくなる話題。こうした瞬間に、その人の強みが表れます。夢中になって取り組む中で成長を実感する状態は、まさに強みが活きているサインです。日々の関わりの中で、その瞬間を見逃さないことが第一歩です。
強みの見つけ方2:本人と一緒に言葉にする
観察した強みは、本人と一緒に言葉にすることで力を持ちます。「あなたのこういうところが強みだと思う」と具体的に伝えると、若手は自分の持ち味に気づけます。自覚のなかった強みを認めてもらう経験は、自信の土台になります。ここで大切なのは、一般的なほめ言葉ではなく、その人固有の場面を挙げて伝えることです。具体的であるほど、本人の腑に落ちます。
強みを活かす関わりが、定着につながる
強みを見つけたら、それを活かせる仕事を任せていきます。得意を発揮できる場があると、若手は自分の役割に手応えを感じ、働き続けたいと思えるようになります。強みを軸にした関わりは、自分で選び取る感覚が定着を支えるという観点とも重なります。任せる側が強みを見抜き、本人が納得して力を発揮できると、その場は本人にとって手放したくない場所になります。強みを活かすことは、そのまま定着への近道です。
よくある質問
Q1. 弱みは放っておいてよいのですか?
A. すべて放置するわけではありません。仕事に支障が出る苦手には向き合う必要があります。ただ、育成の軸を弱み克服だけに置かず、強みを伸ばす関わりを中心に据えることをおすすめします。
Q2. 若手本人が自分の強みをわかっていません。どうすれば?
A. 多くの人は自分の強みに無自覚です。夢中になっている瞬間や、人から頼られる場面を周囲が観察し、具体的な言葉にして伝えてあげることで、本人が気づけるようになります。
Q3. 強みベースの育成は、採用の段階から活かせますか?
A. 活かせます。選考で学生の強みを具体的に見つけ、それを言葉にして伝えると、学生は自分が活きる場をイメージできます。強みへのまなざしは、出会いの段階から効きます。
まとめ
- 弱みの克服だけを軸にすると、若手の自信と持ち味が縮みやすい
- ポジティブ心理学の流れにある強みベースの発想は、現場の実感とよく重なる
- 夢中になる瞬間を観察し、本人と一緒に強みを言葉にすることで見つけられる
- 強みを活かせる仕事を任せることが、手応えと定着につながる
若手は、欠点を直された分だけ伸びるのではなく、強みを活かせた分だけ伸びていきます。その持ち味を見つけて光を当てることが、育成の起点です。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』で、学生一人ひとりと1対1で向き合い、その人ならではの強みを見つけて企業へ橋渡しする場づくりに伴走しています。まずは自社の若手の、夢中になる瞬間を観察してみてください。まだ言葉にされていない強みが、きっと見つかります。
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