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若手のワーク・エンゲージメントを育てる——活力・熱意・没頭をどう引き出すか

ルビーイン株式会社『ウェルハンティング』編集部

若手社員が活力と熱意でいきいきと協働し、前向きなエネルギーに満ちたオフィスの様子

若手が生き生きと働けているか——それは、定着や成長を大きく左右します。この「生き生き」を捉える一つの補助線が、ワーク・エンゲージメントという考え方です。結論から言えば、活力・熱意・没頭という三つの側面を意識して関わることで、若手が前向きに働ける環境は近づきます。ただし、これは万能の処方箋ではありません。本記事では、この補助線を手がかりに、現場の声と並べながら、若手のエンゲージメントを育てる関わりを整理します。

ワーク・エンゲージメントという「補助線」

ワーク・エンゲージメントは、シャウフェリ(Schaufeli)とバッカー(Bakker)が提唱し、日本では島津明人らが研究してきた概念です。仕事に対して、活力を持ち、熱意を感じ、没頭している——そうした前向きで充実した心理状態を指します。燃え尽きの反対側にある状態、と言い換えてもよいでしょう。難しく捉える必要はありません。「この仕事、なんだか前向きに取り組めているな」という感覚を、三つの角度から見るための補助線だと考えてください。

活力・熱意・没頭という三つの側面

この考え方の使いやすさは、漠然とした「やる気」を三つに分けて見られる点にあります。活力は、朝すっと仕事に向かえるエネルギー。熱意は、自分の仕事に意味や誇りを感じている状態。没頭は、時間を忘れて集中できている状態です。私たちルビーインが企業との打ち合わせで聞く若手の悩みも、「疲れて向かえない(活力)」「意味を感じられない(熱意)」「集中できない(没頭)」と、この三つのどこかに当てはまることが少なくありません。どこが欠けているかが見えると、打ち手も絞れます。

育て方1——活力の土台は「回復」と安心

活力は、頑張りを増やせば増えるものではありません。むしろ、消耗した分をきちんと回復できる環境があってこそ生まれます。休むことに引け目を感じさせない空気、困ったときに助けを求められる関係——こうした土台があって、初めて朝すっと仕事に向かえます。過重な負荷や孤立は、活力を静かに削ります。まずは、エネルギーを取り戻せる余白を確保することが、遠回りに見えて近道です。

育て方2——熱意は「意味づけ」から生まれる

熱意は、「この仕事に意味がある」と感じられて初めて灯ります。任される仕事が、誰の役に立ち、何につながっているのか。それが見えないまま作業だけが続くと、熱意はしぼみます。若手には特に、仕事の背景や意義を言葉にして伝えることが効きます。仕事に意味づけを与えて若手の意欲を支える視点は、熱意を育てる土台になります。意味は、放っておいて伝わるものではなく、伝える側の働きかけで届きます。

育て方3——没頭は「任せる」ことで生まれる

没頭は、自分で工夫する余地があるときに生まれやすくなります。手順を細かく指示されるだけの仕事より、自分なりに考えて動ける仕事のほうが、人は入り込めます。若手が仕事を自分ごととして捉え直す関わりは、仕事を自分ごとにするジョブ・クラフティングの視点が参考になります。任せることは、放任とは違います。見守りながら裁量を渡すことが、没頭の入り口になります。なお、ここで挙げた関わりは効果を保証するものではなく、一人ひとりの状況に合わせた調整が前提です。

よくある質問

Q1. ワーク・エンゲージメントは、どうやって測ればいいですか?
A. 厳密な測定より、まずは活力・熱意・没頭のどこが弱っていそうか、日々の様子から見立てることをおすすめします。三つに分けて見るだけで、声のかけ方が変わります。

Q2. エンゲージメントを高めれば、離職は防げますか?
A. 前向きな状態は定着に良い影響を与えうると考えられますが、離職の要因は多様で、これだけで防げると保証はできません。あくまで環境づくりの一つの視点として捉えてください。

Q3. 頑張りすぎている若手も、エンゲージメントが高いのでは?
A. 見分けが必要です。楽しんで没頭しているのか、休めずに走り続けているのかは別物です。後者は燃え尽きに近づいている可能性があり、活力(回復)の側面から見直すことが大切です。