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「働きがい」と「働きやすさ」は、両輪で回す——どちらか一方では続かない

ルビーイン株式会社『ウェルハンティング』編集部

挑戦・やりがいと安心できる環境が両輪で調和し、いきいきと働く職場の様子

結論から言えば、若手が長く働き続けるには、「働きやすさ」と「働きがい」の両方が要ります。残業が少なく休みも取りやすい——それでも「なぜか物足りない」と辞めていく若手がいます。逆に、やりがいはあるのに疲弊して離れる人もいます。私たちルビーインが年間1,000件規模で重ねる企業との打ち合わせでも、この二つのバランスに悩む声は少なくありません。どちらも欠かせないのに、片方に力を入れるともう片方が薄くなりがちです。本記事では、両立が欠かせない理由を整理します。

「働きやすいのに辞める」が起きる理由

労働時間や休暇、制度が整っていても、若手が辞めることがあります。面談で理由を聞くと、「不満はないけれど、成長している実感がない」といった声が出てきます。働きやすさは、不満を減らしはしても、それだけで「ここで頑張りたい」という前向きな気持ちまでは生みにくい。ここに、働きやすさ一辺倒の落とし穴があります。制度を整えるほど定着するはずが、なぜか離職が止まらない——そんなとき、足りないのは働きがいのほうかもしれません。

二要因理論で整理する「やすさ」と「がい」

心理学者のハーズバーグが提唱した二要因理論では、仕事の満足に関わる要素を二種類に分けます。給与や労働環境などの「衛生要因」は、欠けると不満を生むが、満たしても満足には直結しにくい。一方、達成感や承認、成長などの「動機づけ要因」は、満たされると前向きな意欲を生む。これは効果を保証する公式ではありませんが、「やすさ」と「がい」を切り分けて考える補助線になります。やすさを整えても、がいがなければ意欲は生まれにくい。がいがあっても、やすさが崩れれば続かない。二つは役割が違うからこそ、両方が要るのです。

働きやすさ:あって当たり前、なければ不満になる

働きやすさは、衛生要因に近い性格を持ちます。整っていても大きな魅力にはなりにくいけれど、欠けていると不満と離職の引き金になります。だからこそ、飾らず正直に実態を伝えることが大切です。学生が本当に知りたいのは理想論ではなく、学生が本当に知りたいワークライフバランスの中身のような、等身大の情報です。

働きがい:あると前に進める、なくても不満は出にくい

働きがいは、動機づけ要因に近いものです。任される手応え、感謝される実感、成長の自覚——こうした「見えない報酬」が、若手を内側から前へ進めます。給与や制度だけでは伝わらないこの魅力を、どう言葉にするか。給与以外の『見えない報酬』を学生にどう伝えるかは、採用の訴求でも重要になります。

学生は、両方を見ている

面談では、「働きやすさ」を確かめる質問と、「働きがい」を探る質問の両方が出ます。片方だけを強く打ち出すと、もう片方への不安が残ります。面談で「残業はどのくらいですか」と尋ねた学生が、続けて「どんなときにやりがいを感じますか」と聞くのは、珍しいことではありません。二つは対立する関心ではなく、同じ「長く働きたい」という願いの裏表です。両輪をそろえて語れる企業ほど、学生は安心して一歩を踏み出せます。

よくある質問

Q1. まず整えるべきは、やすさとがい、どちらですか?
A. 順番より両立が大切ですが、不満の芽になりやすい働きやすさが極端に欠けていると、働きがいも届きにくくなります。まず土台を整え、そのうえで働きがいを語るのが現実的です。

Q2. 中小企業でも、両立は打ち出せますか?
A. 打ち出せます。制度が大手ほど手厚くなくても、任される裁量や距離の近さは働きがいになります。等身大の実態を正直に伝えることが、規模を超えた魅力になります。

Q3. 働きがいは、どうやって伝えればよいですか?
A. 抽象的な言葉より、具体的な場面で伝えるのが有効です。どんな仕事を任され、誰にどう感謝されるのか。実際の働き方に即して語ると、若手にも自分ごととして伝わります。