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学生の「譲れない軸」をどう掴むか——キャリア・アンカーの視点

ルビーイン株式会社『ウェルハンティング』編集部

1対1の面談で学生が大切にするキャリアの軸を採用担当者が丁寧に掴む対話のイラスト

条件面では申し分ないのに、なぜか学生の反応が鈍い。逆に、規模や知名度で劣っても学生の心をつかむ企業がある。打ち合わせでそんな話を聞くたび、給与や制度の裏にある“譲れない軸”の存在を感じます。本記事では、学生が手放せない価値観の軸を掴む視点を、「キャリア・アンカー」という考え方を補助線に整理します。

なぜ条件が良くても、学生の心は動かないのか?

現場では、「待遇を厚くしても響かない学生がいる」という声をよく聞きます。理由の一つは、その学生が本当に大事にしている軸と、企業が打ち出す魅力がずれているからです。安定を約束された環境を、かえって窮屈に感じる人もいます。自由な裁量よりも、腰を据えた専門性を求める人もいます。条件の良し悪し以前に、何を大事にするかが人によって違う、というのが起点です。

キャリア・アンカーとは、何を捉える考え方か?

キャリア・アンカー(組織心理学者のエドガー・シャインが提唱)は、人がキャリアを選ぶうえで手放せない価値観や欲求の軸を指します。専門性を極めたい、自律して働きたい、安定を確保したい、社会に奉仕したい——こうした軸は人によって異なり、いわば船を繋ぎ止める錨(アンカー)のように、その人の選択を方向づけます。良い悪いではなく、一人ひとり違うというのが、この考え方の前提です。

学生の“軸”は、どんな言葉に表れるか?

アンカーは、「あなたの軸は何ですか」と直接聞いても掴みにくいものです。むしろ、これまでの選択の理由や、どんな瞬間に充実を感じたかに表れます。専門を深める話に熱がこもる学生もいれば、自分で決められる裁量に価値を置く学生もいる。過去の選択の“理由”を丁寧にたどると、その人の錨が少しずつ見えてきます。自己分析を支援する関わりは、学生自身が自分の軸に気づく助けにもなります。

自社が満たせるアンカーを、正直に言えているか?

学生の軸が見えたら、次は自社がどの軸を満たせるかを正直に伝える番です。すべての軸に応えられる企業はありません。専門性を伸ばせる環境なのか、安定した基盤があるのか、社会への貢献を実感できるのか。飾らずに開示することが、価値観のマッチングで入社後のミスマッチを防ぐことにつながります。良い面だけを並べると、軸のずれた学生まで惹きつけてしまいます。

アンカーのすれ違いを、どう防ぐか?

アンカーのずれは、選考中よりも入社後に表面化しがちです。自律を求める人を管理の細かい環境に置けば、早い段階で違和感が生まれます。だからこそ、出会いの段階で学生の軸を掴み、自社の軸と重なるかを一緒に確かめておくことが有効です。これは相性の見極めであり、どちらの軸が優れているという話ではありません。重なりが確かめられれば、入社後のすれ違いは減っていきます。

よくある質問

Q1. キャリア・アンカーは、学生のうちから定まっているものですか?
A. 完全には定まっていないことも多いですが、大事にしたい方向性は過去の選択に表れます。断定せず、傾向として掴むのが現実的です。

Q2. 複数の軸を持つ学生には、どう向き合えばよいですか?
A. 無理に一つへ絞らず、どの軸をより強く大事にしているかを対話で確かめます。優先順位が見えると、自社との重なりも判断しやすくなります。

まとめ

  • 条件より前に、学生が手放せない“軸”がある
  • キャリア・アンカーは専門性・自律・安定・奉仕など、人ごとに異なる価値観の軸
  • 学生の軸を掴み、自社が満たせる軸を正直に伝えることで、すれ違いを防げる

学生が本当に大事にしている軸は、条件表には表れません。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』で、学生一人ひとりの“譲れない軸”を1対1でじっくり掴み、企業との重なりを見極める場づくりに伴走しています。まずは次の面談で、「これまでの選択で、何を一番大事にしてきたか」を聞いてみてください。学生の錨の輪郭が、見えやすくなります。

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