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28卒採用スケジュール——中小企業は「いつまでに何を決めるか」で組み立てる

28卒(2028年3月卒業予定・現大学3年生)の採用スケジュールは、政府ルール上は「2027年3月に広報解禁、6月に選考解禁」です。しかし実態は、2026年夏のインターンシップからすでに始まっています。とはいえ、中小企業が大手向けの網羅的なスケジュールをそのままなぞる必要はありません。本記事では、28卒採用の全体像を二つの軸で整理したうえで、少人数チームでも現実的に回せる「いつまでに何を決めるか」の判断軸を、企業との打ち合わせ現場で聞く声をもとにお伝えします。

28卒採用スケジュールの全体像——政府ルールと実態の乖離

まず基準線から押さえます。政府の就活ルールでは、28卒の広報解禁は2027年3月1日、選考解禁は同年6月1日、内定は10月1日以降とされています。ただし、このルールに法的な拘束力はありません。実態としては、2026年夏のサマーインターン、秋冬の早期選考、年明けの面談・イベントと、解禁を待たずに動く企業が年々増えています。私たちルビーインは年間1,000件ほど企業の採用担当者と打ち合わせをしていますが、「本選考の応募が例年より大きく減った。条件は何も変えていないので、早期化の影響だと考えている」という声を複数の企業から聞きます。3月の広報解禁だけを頼りに母集団をつくる戦い方は、年々厳しくなっているのが現実です。

早期選考型と伝統型——二つの軸が同時に動いている

28卒採用は、大きく二つの軸が並行して動きます。一つは、夏インターンから秋冬の早期選考へつなぎ、年内〜年明けに内定を出し始める「早期選考型」。もう一つは、3月広報解禁・6月選考解禁のリズムで動く「伝統型」です。学生側も、早期選考を意識して夏から動く層と、3月の解禁を起点に動き出す層に分かれます。大切なのは、どちらか一方が正解ではないことです。自社の体制やターゲットによっては、伝統型のリズムを軸にしつつ、早期に動く層との接点を少しだけ持つ、という組み合わせも十分に成立します。この早期化の背景と各社の動きは早期化する新卒採用——動き出しを前倒しする企業がやっていることで詳しく整理しています。

2026年夏、28卒はどう動いているか——面談現場の実感

この記事を書いている2026年7月は、28卒のサマーインターン選考の真っ最中です。年間5,000件の学生面談で28卒と話していると、動き出しの「二極化」を強く感じます。一方には、サマーインターンに20社近くエントリーし、書類やWebテストの対策を進めている学生がいます。他方には、「やらなければとは思っているが、まだ何もしていない」と話す学生も少なくありません。つまり、夏の時点で就活市場に出てきているのは一部の層であり、秋以降に動き出す学生はまだ大勢いる、ということです。夏に出遅れたと感じている企業にとっても、出会いの機会がなくなったわけではありません。焦って夏に無理をするより、秋以降のどこで接点をつくるかを設計するほうが現実的です。

「出遅れた」企業は、どこでつまずいたのか

打ち合わせでは、前年の反省として「出遅れ」を語る担当者が少なくありません。その中身を聞いていくと、つまずきの型が見えてきます。多いのは、「夏のインターンの立ち上がりが遅れ、そのまま早期選考で内定を出せる人数が減った」という連鎖です。前段の遅れは、後段にそのまま響きます。また、「社内の体制変更で母集団形成が後ろ倒しになった」という、採用以外の事情が原因になるケースもあります。一方で見落とせないのは、「早くからイベントに出て前年より早く動いたのに、採用にはつながらなかった」という声も実際にあることです。早く動くこと自体は目的ではありません。誰に・何を伝え・どう選考へつなぐかの設計がないまま前倒しだけしても、工数が増えるだけに終わります。早さと設計はセットで考える必要があります。

中小企業の現実解——「いつまでに何を決めるか」で組み立てる

月別にやることを細かく並べた表は、専任者のいる企業でなければ回し切れません。少人数チームに必要なのは、日付の羅列ではなく「いつまでに何を決めるか」という判断の締め切りです。目安は次の四つです。

  • 夏のうちに(〜8月): 採用人数と求める人物像、そして早期選考型と伝統型のどちらに軸足を置くかを決める
  • 秋までに(〜11月): 学生との接点のつくり方(イベント・スカウト・紹介など)を決め、早期に動く層との接触を始める
  • 年内〜2月に: 早期に出会った学生との関係を深めつつ、3月解禁に向けた説明会や求人票などの準備物を仕上げる
  • 3月以降: 広報解禁での母集団形成と選考を回し、内定後のフォローまで含めて走り切る

それぞれの締め切りに間に合っていれば、途中の細かい前後は問題ありません。逆に、軸足の決定が秋までずれ込むと、早期・伝統のどちらの層にも中途半端になりがちです。この逆算の考え方は年間採用計画の立て方——ゴールから逆算し、無理のない体制をつくるで詳しく解説しています。

少人数チームは「全部やらない」——絞り込みの考え方

大手向けのガイドに並ぶ施策をすべてやろうとすると、少人数チームは確実に息切れします。現実解は、二つの軸のどちらに寄せるかを決めたうえで、接点のチャネルを一つか二つに絞ることです。早期選考型に寄せるなら、夏〜秋の接触と、出会った学生を離さないフォローに集中する。伝統型を軸にするなら、3月以降の母集団形成の質を上げることに集中し、早期層には小さく接点を持つ程度にとどめる。打ち合わせでも、成果を出している中小企業ほど「やらないことを決めている」印象があります。すべての時期で戦おうとせず、自社が勝てる時期と場所を選ぶことが、少人数の戦い方です。

よくある質問

<strong>Q. 28卒採用はいつから始めるべきですか?</strong><br>
A. 早期選考型に軸足を置くなら、大学3年生の夏のインターン期が事実上のスタートです。伝統型を軸にする場合でも、3月の広報解禁に向けた準備は年内に始めておくと、解禁後の立ち上がりが変わります。

<strong>Q. いま(大学3年生の夏)から動き出すのでは遅いですか?</strong><br>
A. 遅くはありません。面談の実感では、夏の時点で本格的に動いている学生は一部で、秋以降に動き出す層が多くいます。夏を逃した場合は、秋冬の接点づくりに焦点を移すのが現実的です。

<strong>Q. 中小企業でもインターンシップは必須ですか?</strong><br>
A. 必須ではありません。数日規模のインターンが難しければ、短時間の仕事体験や社員との面談形式でも接点はつくれます。大切なのは形式より、早期に出会った学生との関係を継続する仕組みです。

まとめ

  • 28卒の政府ルールは広報2027年3月・選考6月解禁だが、実態は2026年夏から動いている
  • 採用市場は「早期選考型」と「伝統型」の二軸で並行して動き、どちらに軸足を置くかがまず決めること
  • 出遅れの多くは前段の遅れの連鎖から生まれる一方、設計なき前倒しも成果につながらない
  • 少人数の中小企業は、月別の網羅より「いつまでに何を決めるか」の締め切りで組み立て、やらないことを決める

スケジュールの主導権は、細かな日付ではなく「決めるべきことを決めた順番」から生まれます。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』で、早期に動く学生と中小企業が1対1でじっくり出会う場をつくっています。まずは夏のうちに、自社の軸足をどちらに置くか。そこから28卒の一年が始まります。