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「社会人になるのが不安」——その不安に、どう向き合うか

「社会人になるのが、なんだか不安で」——面談現場で、こうした言葉を口にする学生は少なくありません。就職活動が進み、社会に出る現実が近づくほど、期待と同じくらい不安も大きくなります。この不安を「気の持ちよう」で片づけてしまうと、学生の心は離れていきます。大切なのは、不安の中身を丁寧にほどき、寄り添うことです。本記事では、入社前の不安の正体と、面談でそれをやわらげる関わり方を、実務の視点で整理します。

「不安」の中身は、一人ひとり違う

まず押さえたいのは、ひとくちに「不安」と言っても、その中身は学生ごとに違うということです。仕事についていけるかという不安、人間関係への不安、そもそも働くこと自体への漠然とした怖さ——。面談現場では、同じ「不安」という言葉の奥に、まったく違う心配が隠れていることがよくあります。まずは、その中身を具体的に聞くところから始まります。

よくある不安1:「自分にやっていけるのか」

多くの学生が抱えるのが、能力や適応への不安です。「求められる仕事ができるだろうか」「周りに迷惑をかけないだろうか」——まだ働いた経験が乏しいからこそ、自分にできるかどうかを測れず、不安が膨らみます。特に、選考の中で緊張しやすい学生ほど、この傾向が強く出ることがあります。面接やグループディスカッションが苦手な学生の背景にも、同じ根っこが見えることが少なくありません。

よくある不安2:働くこと自体への、漠然とした怖さ

もう一つは、より輪郭のぼやけた不安です。毎日働き続けられるのか、学生生活とはまるで違う日々に馴染めるのか——具体的な理由があるわけではなく、「未知のものへの怖さ」として漠然と存在します。この種の不安は、理屈で否定しても消えません。むしろ、”わからなさ”を少しずつ減らしていくことでやわらいでいきます。

ほぐし方1:不安を否定せず、まず受けとめる

不安を口にした学生に、いちばんやってはいけないのは、「大丈夫だよ」で流してしまうことです。励ましのつもりでも、否定されたように感じ、本音を閉じてしまいます。有効なのは、「そう感じるのは自然なことだ」と、まず受けとめること。不安を安心して話せる相手だと感じてもらえて初めて、次の対話が始まります。

ほぐし方2:具体像を見せて、“わからなさ”を減らす

漠然とした不安には、具体的な情報が効きます。入社後にどんな一日を過ごすのか、最初はどんな仕事から始めるのか、どう教えてもらえるのか——未来の姿が具体的に見えるほど、「未知への怖さ」は小さくなります。完璧を最初から求めていないこと、先輩がどう支えてくれるかまで伝えられると、学生は一歩を踏み出しやすくなります。

ほぐし方3:自分を知る作業に、寄り添う

不安の一部は、「自分が何に向いているかわからない」ことから生まれます。だからこそ、学生が自分自身を理解する手助けも、不安をやわらげる関わりになります。学生の自己分析に寄り添うことで、「自分はこういう場所でなら力を出せそうだ」という手がかりが見え、漠然とした不安が、扱える悩みに変わっていきます。

よくある質問

Q1. 不安が強い学生は、入社後も続かないのでは?
A. 一概にはそう言えません。不安を自覚して言葉にできる学生は、むしろ丁寧に向き合う力を持っていることもあります。不安の有無より、それにどう寄り添えたかが、その後を左右します。

Q2. 面談で、不安をどう引き出せばよいですか?
A. 「不安はありますか」と直接聞くより、「今、就活で気になっていることは?」と広く尋ねるほうが本音が出やすい傾向があります。否定せずに受けとめる姿勢が伝われば、少しずつ話してくれます。

Q3. 安心させたくて、良いことばかり伝えてよいですか?
A. 逆効果になることがあります。大変な面も正直に伝えたうえで「それでも支える」と示すほうが、信頼は深まります。誇張された安心は、入社後のギャップにつながりかねません。

まとめ

  • 「不安」の中身は一人ひとり違う。まずはその具体的な中身を聞くことから始まる
  • 「やっていけるか」という能力への不安と、働くこと自体への漠然とした怖さが典型
  • 否定せず受けとめ、具体像で”わからなさ”を減らし、自己理解に寄り添うことで、不安はやわらぐ

社会に出る前の不安は、真剣に将来を考えている証でもあります。それを打ち消そうとするより、丁寧にほどき、一歩を支えること。私たちルビーインも、逆求人型イベント『ウェルハンティング』で、学生が安心して本音を話せる、1対1でじっくり向き合う場づくりに伴走しています。まずは次の面談で、「今いちばん気になっていることは何か」を、否定せずに聞いてみてください。そこから、寄り添いの糸口が見えてきます。