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28卒が初回面談で最初に口にすること——採用担当が知るべき就活の出発点

新卒採用の最初の接点で、学生は何を語るのか。私たちルビーインは、逆求人型の採用イベント『ウェルハンティング』を通じて日々多くの学生と1対1で面談しています。その初回面談で最も多く耳にする第一声が「就活の軸は、まだ決まっていません」です。本記事では、延べ数百件におよぶ28卒との初回面談から見えてきた”就活の出発点に立つ学生たちのリアル”を、採用担当者の視点で整理します。ありきたりな就活論ではなく、面談現場で実際に交わされる声をもとにお伝えします。

「就活の軸は、まだありません」——最も多い第一声

初回面談で圧倒的に多いのが、この一言です。業界も、企業規模も、勤務地も「特にこだわりはない」という学生が少なくありません。「一気にいろいろな企業と話せるから」という効率性を理由にイベントへ参加し、まずは説明会を数十社単位で視聴して回る——そんな”量から入る”動き方が目立ちます。

興味深いのは、これがいわゆる難関大の学生にも共通して見られる点です。学力や情報感度が高くても、「自分が何をやりたいか」の言語化は別のスキルであり、そこは横並びで悩んでいます。採用担当者が「弊社の志望動機は?」と初回から問うても、多くの学生はまだ答えを持っていません。彼らは”志望を固めてから”ではなく、”固めるために”企業と会っているのです。

面接とグループディスカッションへの、根深い苦手意識

次に頻出するのが、選考プロセスそのものへの不安です。「深掘りされると頭が止まる」「質問の意図を捉え損ねて、的外れな受け答えになっているのではないか」という声は非常に多く聞かれます。

特徴的なのは、ES(エントリーシート)の通過率は高いのに、面接やグループディスカッションで急に苦戦するというパターンです。書類は7〜8割通るのに、面接になると通過率が大きく落ち込む学生が一定数います。グループディスカッションを何度受けても通らず、苦手意識が固定化してしまっているケースも見られました。書けるけれど、話せない——ここに28卒の一つの壁があります。

「成長したい」——ただし、その中身はまだ空白

「とにかく成長したい」「若手のうちから裁量がほしい」。こうした上昇志向の言葉も初回面談の定番です。ただし、「何をもって成長とするのか」「どんな裁量を、何のためにほしいのか」まで具体化できている学生は多くありません。

つまり「成長」は、現時点では中身の入っていない器として語られています。これは学生の未熟さというより、社会人経験がない段階では当然のことです。採用担当者にとってのヒントは、この器に自社ならではの中身を一緒に入れていけるか、という点にあります。抽象的な「成長できます」ではなく、「あなたのこの志向なら、うちではこう成長できる」と翻訳して返せる企業は、初回接点で強く印象に残ります。

「残業はしたくない」と「どんどん成長したい」の同居

一見矛盾する二つの価値観が、同じ学生の中に無理なく同居しているのも28卒の特徴です。「年間休日は120日がマスト」「残業はできるだけしたくない」と言いながら、同じ口で「成長したい」「裁量がほしい」と語ります。

これを”わがまま”と切り捨てるのは得策ではありません。彼らにとっては矛盾ではなく、「時間を守りながら、密度高く成長する」という新しい前提なのです。長時間労働と成長を結びつけて語ると、その瞬間に距離を置かれてしまいます。限られた時間の中でどう成長機会を設計しているかを語れるかどうかが、魅力づけの分かれ目になります。

一定数が抱く「いつかは起業・独立」への憧れ

もう一つ見逃せないのが、「将来的には起業したい」「独立を考えている」と口にする学生が一定数いることです。ただし多くの場合、「何をやりたいか」はまだ決まっていません。「人生は一度きりだから、自分のやりたいことをやってみたい」という、方向性としての憧れです。

この層は、必ずしも新卒での入社を否定しているわけではありません。「一社目で経験と実力を積んでから」と考える学生も多く、キャリアの一歩目として自社をどう位置づけてもらうかが鍵になります。「ここで力をつければ、その先の選択肢が広がる」という文脈は、彼らに響きやすいメッセージです。

採用担当者が初回接点で意識したい3つのこと

面談現場の傾向をふまえると、初回接点での関わり方には次の3点が効果的です。

  1. 「軸」を問うのではなく、言語化を手伝う。 志望動機を求めるより、「なぜそう感じるのか」を一緒に整理する姿勢が信頼につながります。
  2. 面接が不安な学生には「練習・壁打ちの場」としての価値を示す。 選考前の学生にとって、実力を測られる場ではなく試せる場は貴重です。
  3. 「成長」の解像度を一緒に上げる。 抽象的な成長ではなく、その学生の志向に紐づけた具体像を返すことが差別化になります。

よくある質問

Q1. 28卒は就活を始めるのが遅い傾向にありますか?
A. 「4月・5月に始めたばかり」という学生は珍しくありません。ただし遅い=意欲が低いではなく、多くは”何から手をつければいいか分からない”状態です。初回接点で次の一歩を具体的に示せると、関係が深まりやすくなります。

Q2. 軸が定まっていない学生には、どう向き合えばよいでしょうか?
A. 軸を”確認する”のではなく、”一緒に作る”スタンスが有効です。過去の経験や違和感を丁寧に聞き出すことで、学生自身も気づいていなかった価値観が言語化され、その過程に伴走した企業が記憶に残ります。

Q3. ワークライフバランス重視の学生は、成長意欲が低いのでしょうか?
A. いいえ。多くは「時間を守りつつ成長したい」という両立を前提にしています。両者を対立させず、限られた時間で成長機会をどう用意しているかを語ることが、魅力づけにつながります。

まとめ

  • 28卒の多くは「就活の軸が未定」のまま企業と出会っており、志望を固めるために面談に臨んでいる
  • ES通過率は高くても、面接・グループディスカッションに苦手意識を持つ学生が多い
  • 「成長したい」は頻出するが中身は未定義。自社の文脈で翻訳して返せる企業が印象に残る
  • 「残業したくない」と「成長したい」は矛盾なく同居している。時間と成長の両立を語ることが重要

初回接点は、学生を”見極める”場である以上に、学生の言語化を”手伝う”場です。その伴走ができた企業こそが、まだ軸の定まらない28卒にとって「最初に思い出す会社」になります。