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「地元で働きたい」学生の本音と、企業ができること

「できれば地元で働きたいです」「転勤はないほうがいいです」——面談でこう話す学生は、決して少なくありません。ときに採用担当者は、地元志向を「消極的」「意欲が低い」と受け取ってしまいがちです。けれど、その言葉の裏側を丁寧に聞いていくと、そこには家族や友人とのつながり、安心して暮らしたいという、確かな価値観があります。本記事では、私たちルビーインが『ウェルハンティング』の面談現場で出会う”地元志向の学生”の本音と、企業ができる向き合い方を整理します。

「地元で働きたい」は、消極的な選択ではない

地元志向を、「都会に出る勇気がないだけ」と捉えるのは早計です。面談で話を聞くと、多くの学生が明確な理由を持っています。家族の近くにいたい、親孝行がしたい、慣れた土地で安心して暮らしたい——これらは逃げではなく、その学生が大切にしている価値観の表れです。地元志向は、”守りの選択”ではなく、”何を大事にしたいか”の答えなのです。

本音の背景1:家族とのつながり

最も多く聞かれるのが、家族の存在です。「親にたくさん支援してもらったから、恩返しがしたい」「近くにいて、家族を支えたい」——こうした思いは、就活の軸として静かに、しかし強く働いています。「初任給で親に何かプレゼントしたい」と話す学生もいます。地元志向の根っこには、目に見える人間関係を大切にしたい、という気持ちがあることが少なくありません。

本音の背景2:友人・慣れた環境という安心

「友達が地元に残るから、自分も地元がいい」という声もよく聞かれます。慣れた土地、気心の知れた人間関係の中で働きたい——変化そのものが目的ではない学生にとって、安心できる環境は大きな価値です。安心して働けることを重視する学生の志向とも、深くつながっています。

本音の背景3:転勤で、生活を崩したくない

「転勤はないほうがいい」という希望も根強くあります。これは、仕事を軽視しているのではなく、生活の見通しを持ちたいという願いです。「やりたくないこととして転勤を挙げる」「地域固定で働ける会社は魅力的」——腰を据えて、生活と両立しながら働きたい。その延長線上に、勤務地へのこだわりがあります。

ただし、地元志向は”固定”ではない

一方で、地元志向は、いつも揺るがないものとは限りません。「実家を出るなら、どこでも一緒かもしれない」「いい会社があれば、地元でなくてもいい」と、話す中で気持ちが動く学生も多くいます。大学の偏差値帯によって地元志向の強さも異なりますが、大切なのは、その学生の”揺れ”に丁寧に向き合うことです。実際、地方出身で「この街から出ないよね、という空気の中で育った」と振り返り、都市部での挑戦にひそかに憧れる学生もいます。頭ごなしに「地元じゃないと無理」と決めつけないことが、可能性を広げます。

企業ができること1:地元志向を、誤解しない

まず大切なのは、地元志向を「意欲が低い」と誤解しないことです。地元で働きたい学生の多くは、家族や地域への思いという確かな動機を持っています。その価値観を尊重する姿勢そのものが、学生の信頼につながります。頭から「もったいない」と否定してしまうと、対話はそこで止まってしまいます。

企業ができること2:勤務地の実態を、正直に伝える

勤務地や転勤は、学生がもっとも不安に感じるポイントの一つです。だからこそ、「転勤の有無」「配属の考え方」「生活の見通し」を、あいまいにせず正直に伝えることが大切です。地元で働ける企業はその強みを、転勤がある企業は生活への配慮を——それぞれ具体的に語ることで、学生は安心して検討できます。逆に、実態と違う説明をすると、入社後のミスマッチや早期離職につながりかねません。

企業ができること3:揺れている学生には、”動く理由”を一緒に描く

地元を離れることに迷っている学生には、「なぜ、その一歩を踏み出す価値があるのか」を一緒に考えてあげてください。地元では得られない経験、成長の機会、出会える人——その学生にとっての”動く理由”が見えれば、選択肢は自然と広がります。押し付けではなく、一緒に描く姿勢が鍵です。

よくある質問

Q1. 地元志向の学生は、転勤のある自社には向きませんか?
A. 一律に向かないとは限りません。地元志向の背景にある「安心」や「生活の見通し」を、転勤があっても得られる形で示せるかが分かれ目です。配属の考え方や生活への配慮を丁寧に伝えれば、検討の土俵に乗ります。

Q2. 「地元がいい」と言う学生を、口説くのは難しいですか?
A. 説得しようとするより、まず理由を理解することです。多くの学生は”揺れて”おり、動く理由に納得できれば気持ちは動きます。頭ごなしの否定ではなく、一緒に考える姿勢が効きます。

Q3. 地方の学生と、そもそも出会う機会が少ないのですが。
A. オンラインの接点を活用すると、地理的な制約を越えて出会えます。1対1でじっくり話せる場であれば、地方の学生とも十分に関係を築けます。

まとめ

  • 地元志向は「消極的な選択」ではなく、家族・つながり・安心という確かな価値観の表れ
  • その本音は、家族への思い、慣れた環境の安心、生活を崩したくないという願いにある
  • ただし固定ではなく揺れることも多い。誤解せず、実態を正直に伝え、動く理由を一緒に描くことが企業のできること

「地元で働きたい」という言葉を、そのまま受け取って終わりにせず、その奥にある価値観に耳を傾ける。それだけで、学生との距離はぐっと縮まります。私たちルビーインも、『ウェルハンティング』で、オンラインも含めて多様な地域の学生と1対1で出会える場づくりに伴走しています。地元志向の学生の”本音”に丁寧に向き合うことが、地域を問わず良い出会いを生む第一歩になります。